痔の症状について
痔にも様々なタイプの症状があります。本項目では主な痔の症状を掲載いたします。
外痔核 | ||
---|---|---|
痛み | 初期は痛みが激しい、さわると痛い、歩行も困難。 | |
出血 | ほとんど出血しない。 | |
かゆみ&肛門付近 | 肛門の周りに外からみられるイボ状のはれがある。 |
内痔核 | ||
---|---|---|
痛み | 排便後に肛門付近がズキズキ傷む。 | |
出血 | 排便時に激しく出血する。痛みを伴わずに出血する。 | |
かゆみ&肛門付近 | 排便時にイボ状のものが脱出する。 ※尚、「内痔核」は、イボの脱出の程度、進行度合によって、第Ⅰ度~第Ⅳ度までに分かれます。 |
脱肛 | ||
---|---|---|
痛み | 立っておれない痛み、頭の天辺まで痛く感ずる、嵌頓を起こすと更に痛い、歩行困難。 | |
出血 | まれに下着に少し血がつく。 | |
かゆみ&肛門付近 | 痛いイボ状のものが肛門のまわりにグルリと出来ている。 |
きれ痔 | ||
---|---|---|
痛み | 排便時に激痛、頭の先まで痛みを感ずる。歩行困難。 | |
出血 | 排便時に痛みと共に出血する。症状により多量の出血をする。 | |
かゆみ&肛門付近 | 6時、12時のあたりにピラピラしたものがある。 |
直腸肛門周囲炎 | ||
---|---|---|
痛み | さわると痛い激痛、熱感がある。 | |
出血 | 出血はほとんどない。 | |
かゆみ&肛門付近 | 肛門のまわりに境目の、はっきりしない「はれ」がある。熱が出る。 |
肛門周囲膿瘍 | ||
---|---|---|
痛み | 激しい痛み。 | |
出血 | ほとんどない。 | |
かゆみ&肛門付近 | 肛門の部位にしこりとはれ、高熱が出る。 |
痔瘻 | ||
---|---|---|
痛み | 少しの痛み。 | |
出血 | 血とウミがまじってでる。 | |
かゆみ&肛門付近 | ウミがあってかゆい、ガスや便がもれ出る、下着を汚す。 |
※上記の各々「単発型」と、2~3の症状の併発した「複合型」とがあります。
なぜ漢方が効くのか
肛門挙筋 | 肛門を引き上げたり支持固定する筋肉。 |
---|---|
内肛門括約筋 | 肛門を閉じている筋肉。 |
外肛門括約筋 | 肛門を開けたり閉じたり出来る筋肉。 |
歯状線 | 直腸と肛門の境界の線で歯並び上に見える。 |
静脈叢 | 細い静脈が互いに吻合して網目状になっているところ。 |
漢方薬が「痔」に対して奏功し易いのは治療において必要とされる種々の効能を一つの処方が全て併せ持つ点にあります。
それらの効能(温める、冷ます、血行を良くするなど)は西洋医学にはない働きであり、唯一漢方でしか得ることのできない効きめであるという事が言えます。無論一時しのぎではなく、「根本治療」を目指したものなのです。
漢方薬の働き
血行促進作用
「静脈」の血行を促進し患部を温め、肛門の柔軟性と、傷の回復を早めます。
駆お血(くおけつ)作用
固まりつまり易くなっている血液の粘り(お血)をとり除き、血がサラサラと流れ易くなります。これにより患部のうっ血がやわらぎ、痔核の腫れや、余分な熱っぽさがとれてきます。
強肝作用
肝臓の働きを高め「門脈」の血行を良くする事で、血流に更に勢いを持たせます。
鎮痛・消炎作用
治療と共に、今ある苦しい痛みや腫れの自覚を抑えます。
複合的にこれらの働きを併せ持つところが、「痔」が漢方の得意分野であるゆえんです。
もちろん、当店においても治療効果を高める為に「軟膏」や「坐薬」などの外用薬も併用いたします。
地道な治療が必要です
しかし、長く患っていたり、痛くて苦しい、特に「痔核(いぼ)」、「痔ろう」の方にとって外用薬はあくまで、局所の腫れや、痛みをよりとれ易くする為の補助的なものとお知りおき下さい。
それのみで完全によくする事は非常に難しいものです。
なぜなら、外用薬で「静脈・門脈」など内蔵の血行を良くする事は極めて難しいからです。
市販薬のテレビCMほど簡単にはゆかないものとお知りおき下さい。